今日の感動

こういう事って、日本人は出来ないよね。良い意味でアメリカ人だから出来るんだと思う。
今日ラジオで聞いてて泣きそうになったもん。
でも、こういう事をするとさー、最近の日本人って匿名をいいことにすぐにネット上で批判する奴等がでてくる。それが悲しい。


「車椅子の大学生をドラフト指名 米大リーグ」東京新聞より

 米大リーグのアリゾナダイヤモンドバックスが新人選手のドラフトで車椅子の大学生を指名した。選手としてプレーすることはおろか、歩くことさえできない。前代未聞のドラフト指名にはどんな物語があるのか。(上田千秋記者)


◇「不屈の精神に敬意」「プレーできなくても情熱が「チームに必要」」


 「ドラフト指名は名誉なことであり、ダイヤモンドバックスに対しては感謝しても感謝しきれない」。アリゾナ州立大学のコリー・ハーンさん(21)はツイッターで心境をこう語った。

 八日のドラフトの日、全米に驚きの声が上がった。同球団が三十四巡目。三十球団全体で千二十人目に指名した選手が下半身麻痺のハーンさんだったからだ。

 ハーンさんはカリフォルニア州出身。高校時代は将来有望な花形外野手だった。三年生時の成績は30試合出場し、打率・411、本塁打10、打点24。投手としても14勝1敗。防御率0・89の好成績を収めた。キャプテンとして率いたチームは州大会で優勝し、自身は十八歳以下のナショナルチームにも選ばれるなど、順調な野球人生を送っていた。

 二〇一〇年、サンディエゴ・パドレスが二十六巡目で指名したが、大学へ進学した。悲劇が起きたのはその直後だった。入学後、二試合目の対ニューメキシコ大学戦。一回、四球で出塁したハーンさんは盗塁を狙って二塁へヘッドスライディングした際、相手選手と激突し、首の骨を損傷してしまった。緊急手術のかいもなく、医師は「二度と歩けない」と宣告し、約束されていた野球人生は一瞬にして終わった。父親は世話のために会社を退職している。

 プレーできないハーンさんを、ダイヤモンドバックスが指名したのは、リハビリに必至に取り組む一方で、学生コーチとしてチームを支える前向きな姿勢や精神力を評価した結果だった。スカウトが球団トップに指名を進言し、「彼は非常に優秀な人物で、チームのためになる。ためらいなく指名を決定した」(デリック・ホール球団CEO)という。

 もちろん、選手としてはプレーできず、ハーンさんは球団職員になる。指名の必要はなかったが、球団としては、あえて指名することで、ハーンさんやその家族ばかりではなく、ハンディを負った人々を励ましたいとの思いがあった。

 ドラフト当日、球団は三十四番目に指名できるまでわざわざ待った。大学時代のハーンさんの背番号が「34」だったことを踏まえた演出だった。放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんは「全米で、球団の粋なやり方が評価されている。チームの選手は彼を見て、毎日プレーできることがいかに幸せかを肌で感じるだろう」という。

 隻腕のジム・アポット投手ほか、障害があっても大リーグで活躍する例はあるが、今回のようにプレーできない人物がドラフトで指名されることは前例がない。大リーグに詳しい医師の向井万起男さんは「単に球団職員として採用しても話題にならないが、あえてドラフト指名することで社会へのアピールになる。一般社会と繋がっている球団であることを示したいという考えもあったのだろう」と語った。